佐賀大学芸術地域デザイン学部

佐賀大学芸術地域デザイン学部
教員紹介

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地域デザインコース

美術史

吉住 磨子
教授
吉住 磨子
MAKO YOSHIZUMI
分  野:キュレーション分野
専門分野:美術史
コメント
 東京で大学生活を送っていた頃,また,イタリアの大学に留学していた頃は本当によく出歩きました(お金はなかったが,時間はあった)。特に留学時代は絵画,彫刻,建築,庭園などを見に,カメラとスケッチブックの入ったリュックを背中にほとんど毎週末,どこかに出掛けていました。当時,人気のない礼拝堂の中で中世の壁画を日がな一日眺めていた時に味わった精神の高揚や西洋史における革命や変革の時期に人々の意志の発揚のためにつくられた数多の美術作品を各所で実見したこと―私の美術史研究の根っこにあるのはそれらです。学生さんへのメッセージとしては,ネット上のイメージばかり眺めていずに,実際に作品を見に行ってほしいということ(見るべき作品は私たちの身近なところにも存在します),そして,実際の作品や資料を通して,感性と現代社会にも通じるさまざまな問題意識を磨いていってほしいということです。
個人・ゼミの活動
[研究活動]
・イタリア初期近代美術史(特にカラヴァッジョとその周辺)の研究。最近は17世紀の人々の性に対する考え方,倫理観,笑いや怒りといった人間の感情がどのようなものであったかを探る―これがなかなか難しいのですが―ことにより,あるイメージが当時どのように受容され,社会の中でどのように機能していたかを明らかにすることに興味があります。
・百武兼行(1842~1884)の研究。
・音楽史にも興味があり,美術史と音楽史の領域横断的な研究にも手をのばしたいのですが,10年ほど前に書いたある論文以降,この方面の研究は進めることができていません。それを早く再開したいと願っています。

[ゼミの活動]
・3年ゼミでは,研究の基本的作法ともいうべき,文献を探し,読み,まとめるトレーニング,そして,美術の「様式」と「意味内容」についての理解を深めることを目標としています。
・こうやって書くとお堅いゼミだと思われるかもわかりませんが,インドアでの活動ばかりではなく,作品,資料,さまざまなイメージを求めて学外に出ていきます。美術ばかりではなく,音楽,映画,文学,パフォーマンス,自然等々,さまざまな「アート」にも触れます。

研究/作品