佐賀大学芸術地域デザイン学部

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教員紹介

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芸術表現コース

漆工芸、木工芸

井川 健
准教授
井川 健
Takeshi IGAWA
分  野:美術・工芸分野
専門分野:漆工芸、木工芸
コメント
 手で素材を加工して物を作ること。古くから行われてきたことであるはずなのに、今では身近なことではなくなってしまっているようで、ちょっと残念に思っています。
 工芸はこの「手で素材を加工して物を作る」ことを中心に、使うこと、伝統文化、自己の表現などの要素が複雑に関わり一様に捉えることが難しい複合的な分野です。とはいえ、作り手にとって、「作る楽しさ」が根幹にあることは間違いないはずです。修得に時間がかかる技術があり、同じようなことを飽きるほど繰り返す工程もあります。制作を重ねる中で難しいと思われたことも自然とできるようになり、長い工程にも一つ一つに意味があることが分かってきます。そうした素材との付き合いの中に発想を刺激してくれる出会いがあります。素材について知ることや考えることが楽しさにもなり、作品を作ること、表現することにつながっていきます。
個人・ゼミの活動
[最近の制作テーマ]
 塗りのみによる表現を中心に、造形的な作品を制作している。「塗り」の表現を考えていると、形をどうするかということよりも、どういう面に塗るか、何の素材でどのような方法で作るか、ということに興味が向くようになる。近年はヤシの葉柄を用いた形作りなど、自然が作り出した形を元に造形することや凹凸のある表面を造形に取り込むことに取り組んでいる。

[個展]
2005 石田大成社ホール (京都)('04)
2007 ワコール銀座アートスペース (東京)
2016 オリエアートギャラリー (東京)
2018 祇をん小西 (京都)('08,'11,'15)
2019 「艶のある形」 髙島屋美術画廊X (東京)他
2022 ギャラリー恵風 (京都)('14, '17) 他
2023 コウイチ・ファインアーツ (大阪)('12) 他

[主な展覧会]
2016 IKI粋SUI展 (染・清流館、京都)
2017 Loewe Foundation CRAFT PRIZE, The 2017 Nominees (Madrid他)
2017 Hard Bodies: Contemporary Japanese Lacquer Sculpture (Minneapolis Institute of Arts)
2018 風詠抄—譚 (高島屋日本橋店6階美術画廊)
2021 Cheongju Craft Biennale 2021「Tools for Conviviality」 (清州・韓国)

[漆・木工専攻としての活動]
・毎年、学生企画でうるし展を開催。

研究/作品

  • 風孕むⅠ
    風孕むⅠ
    【制作年】2019年
    【サイズ】W950×D240×H1300
    【素材・技法】
    素材:漆、ワシントンヤシの葉柄他
  • 波の舟
    波の舟
    【制作年】2022年
    【サイズ】W1970×D460×H590
    【素材・技法】
    素材:漆・ヤシ・木屑・布等
  • 羽化
    羽化
    【制作年】2015年
    【サイズ】W1500×D700×H800
    【素材・技法】
    漆・ワシントンヤシの葉柄・硬質発泡ウレタン・布等