特集

「やきもの」のクリエイティブを、有田の里から。

佐賀大学芸術地域デザイン学部の「有田セラミック分野」は、有田そして佐賀が培ってきた歴史ある陶磁器の伝統技術と芸術性を、ファインセラミックを含む「産業」として捉え、プロダクトデザインや流通・経済・マーケティングなどのセンスやスキルを磨く専門分野です。

発想やアイデアで産業を「クリエイティブ」すること

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佐賀大学芸術地域デザイン学部には、本庄キャンパスに加え、佐賀県有田町にある「有田キャンパス」があります。有田キャンパスは全国唯一の窯業を専門とした専修学校の有田窯業大学校以来、全国にやきものの技術者や作家を輩出してきました。工場にあるような大きな窯に広いロクロ場や絵付け室、さまざまな技法に使われる多くの機械が並び、有田焼400年の多彩な技術の集積と表現が伺える、充実した環境に驚くことでしょう。この有田キャンパスは有田セラミック分野の大きな拠点のひとつです。

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「有田セラミック分野とは、これまでの文化教育学部が持っていた発想やアイデアを、有田窯業大学校が持っていた産業としての技術で、合理的に発展させる専門分野です」と語るのは田中右紀教授。「やきものはどこにでもある土が化学的変化で〈価値〉に変わるもの。素材と加工技術・プロセスや目的によって進化する〈作品〉でもありますね。そしてまた〈うつわ〉として生活の中にあるものです。例えば今、あなたが何気に手に取ったその皿や茶わん。そのモノから背後にあるデザインやプロダクトの思想、何をもって生活を楽しみ豊かさを感じるのか―を体得します。単にモノを作るだけではない、夢のある分野だと思います」。

「クリエイティブ」を産業として展開する総合力を高めるために

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作品を創造するという「アート」の指向と伝統技術という「クラフト」の指向の融合だけでない、科学的見地「サイエンス」に作品が流通する経済・「マーケティング」―。有田セラミック分野は、多様性と活路に満ちあふれています。やきものの豊かな知恵と技術を伝える田中右紀教授と湯之原淳先生、有田の伝統的な技術を伝える甲斐広文先生、釉薬・原料科学・ファインセラミックといった科学的分野の赤津隆教授、工業的なプロダクトデザインの思想を伝える三木悦子先生。幅広く多彩な講師からさまざまな可能性を掴んでいくことができるのも「有田セラミック分野」の特長です。

それぞれの講師が今まで培ってきた知見とノウハウ(これを語るには正直スペースが足りない!)は、「やきもの」を作りたい、という意思を持つ人はもとより、やきものを通じて「表現を見つける」人の人生を通して活きる分野です。やきもの(器)ほど人々の生活と密接に関わってきたものはありません。まさに生活そのものです。さらに地域としての有田を考えると、今まで閉ざされていた知見やノウハウが人や有田キャンパスを通じて地域に開かれ、地域の魅力を高めてくれる財産にもなりえます。

もっとも多感な「4年間」という時間のなかで学んだことを、大人になって人生の時々で活かしていくことが「総合力」です。そして技術だけでなく、やきものを通じた地域創生まで手がけていくこと―。有田セラミック分野での学びと実践は、あなたにとって何にも勝るツールとなるでしょう。